リリース作品はいずれも70年代のみだが、ソウルともポップスでもなく程よくファンキーさを加えたサウンドは当時でも希有な存在だったようだ。
しかし実際にプレーヤーに入れて再生すると、そのメロウ+ファンキーさが却ってAORとして解釈出来る上質なサウンドになっている。
70年代と言えば現在とは違ってアナログ全盛の時代である。
キーボード一つ取っても、その後80年代に隆盛を極めたFM系デジタル・サウンドではないので、太くて温かみのある音が特徴だ。
メンバーのリック・チューダコフ(B)、ピーター・バネッタ(Dr)の2人はコンビとしてプロデューサー・チームを結成しテンプテーションズ、マイケル・ボルトン、スモーキー・ロビンソン、ピーボ・ブライソン等を手掛け大物の仲間入りを果たした。
一方フロントマンであるレスリー・スミスと言えば、先のバネッタ=チューダコフ2人をプロデューサーに迎えて82年に発表した「Heartache」で人気・実力共にAORを代表するヴォーカリストの1人になった。
この作品は長らくCD化されておらずファンからのCD化して欲しいリクエストには必ずトップ3に入るぐらいの超名盤扱いであった。(2012年にCD化!!)
プロデューサーとしてマイケル・オマーティアンが担当し、ゲスト・ミュージシャンとしてアーニー・ワッツ(Sax)やL.A.の実力派セッション・シンガー兄妹ウォーターズ(BGV)に加えて、ギター参加ではないもののジェイ・グレイドン(Prog)の名前も見られる。
70年代に残された当時としてはモダンなファンキー&メロウ・サウンドを今一度体験しようではないか。
80点
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