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ソウル・ヴォーカリスト故マーヴィン・ゲイのI Want Youの作者、クインシー・ジョーンズ、メリサ・マンチェスター、ミニー・リパートンさらにはブラジルのマルコス・ヴァーリなどとのコラボレーションでも有名なリオン・ウェア。
ソウル界ではマーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイがエロ声の代表だが、AOR界ではダントツでリオン・ウェアがオススメ。
自身で2度目となる名前を冠にした82年発表の5thアルバムである。 

今作の発表はEW&Fが示したブラック・ミュージックとポップスの融合をさらに推し進め、よりソフィスティケイトされたサウンドの完成型、ソウル畑のミュージシャンが"最も"AORに寄った瞬間である。

基本的に80年当時は日本でリリースされる盤に邦題としてレコード会社関係者が付けた、時に「?」や「苦笑」されるタイトルが多いのだが、この「リオン・ウェア」に名付けられた「夜の恋人たち」は最も内容を表しているタイトルだと思う。(タイトルを字面だけで見ると、アレだが)
というのも、①Slippin' Awayを聴き始めた途端、どうしても夜を連想させるのである。続く②Lost In Love With You(どこかで聴いた事ある雰囲気だ)もアップ・テンポの曲だが、やはり"夜"なのである。

その要因はリオン自身の歌声にあると思う。
テクニック的に上手いとか、声量のある声ではないが、何とも甘くてセクシーな声の持ち主なのである。
だから③Shelter、⑤Deeper Than Loveのようなバラードは特にリオンの魅力が凝縮されている。
そのバラードの後に⑥Can I Touch You There(イントロに邦題"夜のささやき"通り囁くようなセクシーヴォイスあり!)をもってくるなど流れも良い。

そんな夜の時間はマンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲルとのデュエット④Why I Came To Californiaで頂点を迎える。 
日本でデュエットと言うと少し古くさい印象を与えるかも知れないがAOR・ポップス系では意外と多く出会ったりする。
完全に"バンドの"ツイン・ヴォーカル的に聴こえるから不思議だ。

冒頭で挙げたようにヴォーカリストだけでなくクリエーター、プロデューサーとしても優れた手腕を発揮するリオンだが自分自身のプロデュースも優秀である。
このアルバムではお馴染み西海岸のミュージシャンでスティーブ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチのTOTO勢に加えてデヴィッド・フォスター、ビル・チャンプリン、ネイザン・イースト、チャック・レイニー、デヴィッド・T・ウォーカー、ジェイムズ・ギャドソン、さらにはブラジルからフローラ・プリム、アイアート・モレイラ夫妻も招くなど適材適所に人を配置している。
これだけの自在を揃えているだけでも、演奏面では100%外さない事が保証されたようなものだ。
デヴィッド・ペイチ、デヴィッド・フォスターは作品も共作していて、コ・プロデューサーとしてマーティー・ペイチ(デヴィッド・ペイチの父で大物ジャズ系ミュージシャン、アレンジャー)も名前を連ねている。

2017年2月突然の訃報が明らかになったが、晩年まで「メロウ大王」の異名を取ったセクシー・ヴォイスは永遠に色褪せない。 

97点 

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