ボサノヴァ・テイストのAORといった所か。
マイケル・フランクスが77年、トミー・リピューマのプロデュースで発表した作品である。
バックにラリー・カールトン、ジョー・サンプル・ウィルトン・フェルダーのクルセイダース勢に、ムーディーなサックスならこの人!デヴィッド・サンボーン、さらにマイケル・ブレッカー等を加え、ストリングス・アレンジにニック・デカロ、エンジニアにアル・シュミットという布陣で創られた。
そのサウンドは肩の力が抜けきって耳アタリも良く、ひたすら心地良い。
特にラリー・カールトンのプレイするギターは、ロックしか聴いていないギタリストには、ちょっと真似が出来ないであろう。
主役であるマイケルの歌も同様に、このアンニュイ感+優しい囁くような声はオリジナリティそのものである。
自身が敬愛するアントニオ・カルロス・ジョビンに捧げた名曲⑥Antonio's Songがトップ・レコメンド。
しかし、このようなタイプのサウンドも、やはりトータルで聴いて欲しい内容である。
マイケルの歌を活かしつつも、押し引きの関係がそれぞれ自然に出来上がっている高次元でのバンド・アンサンブルを堪能して頂きたい。
やはり腕のあるミュージシャンは一味も二味も違う。
そしてそんなミュージシャン同士が一堂に会すると、こんなに素晴らしい物が出来るんだと思わせてくれた作品。
疲れた時にそっと手が延びる究極の「和みサウンド」である。
92点
コメント