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ブラス・ロックバンドの雄として名高いシカゴの通算16枚目。
シカゴと言えば60年代から活動を開始し、 発表アルバム連続5枚全米1位獲得など輝かしい実績を持っていた。
しかし徐々に全盛期の力に陰りが見え始めた82年、このアルバムを発表して再び頂点に君臨するきっかけになった1枚である。

もちろんシカゴというバンド自体の力もあるのだが、生まれ変わる要因を作った人物が2人いた。
1人は、やはり60年代からサンズ・オブ・チャンプリンというバンドを牽い、この80年代前後にはスタジオ・ミュージシャンとしても多数の作品にBGV参加しているビル・チャンプリン(Vo,K)。
もう1人は本作のプロデュースを務めたデヴィッド・フォスター(K)である。

まずビルの加入は当時メイン・ボーカルのピーター・セテラ(Vo,B)に変わってメインを務めたり、アクの強いBGV、ギターやオルガンなどもプレイ出来る事からサウンドに拡がりを持たす事に成功。
デヴィッド・フォスターに関してはキーボード、プロデュース共に名が知られており、アレンジも含めた楽曲制作においても如実に変化をもたらす結果となった。
従って一部のコアなファンやメンバーから反発もあった事は確かだが、それを抜きにしてもシカゴを再生させた功績は大きいし、AOR的観点からも、ここから続くフォスター・プロデュース三部作は決して外す事は出来ない。

トップ・レコメンドは⑤Hard To Say I'm Sorry(邦題:素直になれなくて)。
AORと言わず、アメリカン・ポップス史上に残る問答無用・説明不要の名曲中の名曲である。
一聴して、その曲と分かるイントロやミリオンダラー・ヴォイスの異名を取ったピーターの声、印象的なソロを取るゲスト・ミュージシャンのスティーブ・ルカサー。
何もかもがパーフェクトである。

本来はブラスが大々的にフィーチャーされている、続くGet Awayと一対になっているのだが、流れの問題からかHard To Say~でフェード・アウトされたヴァージョンも多い。(当時のブラス・ロック=シカゴというイメージからの脱却という意図もあったのかも知れない)

管楽器隊には不満が残る内容かも知れないがブラス色を一切合切排除という事はなく、シカゴらしさを要所要所残しつつフォスター色を色濃く注入したような格好だ。
さすがに鍵盤の音色などは独特で今聴くと「いかにもデヴィッド・フォスター=80年代」だが、当時としては相当モダンであっただろう。
新しくなったシカゴもまた別の魅力を持ったバンドである。

88点 

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