JANE&SERGE
フランスの奇才セルジュ・ゲンスブールが後に奥方となるジェーン・バーキンとのコラボレーションによりリリースされた1969年発表のアルバム。
アルバム4曲ずつをセルジュとジェーン、それぞれがリード・ボーカルを取り、残りの3曲はデュエットという構成だ。


今でもファッションを真似する女性が多いジェーン・バーキンといえばモデル、女優としての活動も有名だが(言うまでもなくエルメスの高級バッグ、バーキンは彼女の名前により名付けられたもの)、ヨーロッパで特にヒットした①Je t'aime... moi non plusによって歌手デビュー。
そのジュ・テーム〜は元々セルジュが67年当時不倫関係にあったブリジット・バルドーと録音した曲だが、経緯が経緯だけにバルドー側がリリースの中止を求めてお蔵入りになっていた作品である。(80年代に入ってバルドーver.が解禁)

シャンソン歌手としてデビューしたセルジュが徐々に歌だけに留まらず、コンポーザー、プロデューサーとして手腕を発揮し始めていた頃で、他にもフランス・ギャルやフランソワーズ・アルディを始め、 ヴァネッサ・パラディから大女優カトリーヌ・ドヌーブまで手がけるという、公私に渡りエロティックな雰囲気満載で迫り、女性を手がけたら天下一品の作品を生み出すフランス界きってのプロデューサーへと変貌する。

またセルジュの場合、トレードマークとも言えるタバコと酒の他、晩年には奇行が目立つ(公の場で紙幣を燃やす、某歌手にFワードを言い放つ)などダメオヤジぶりも発揮されるが、ただのエロオヤジ、ダメオヤジではなく幼少の頃から教育を受けたクラシックの素養もあった。
そのため⑦Jane Bではフレデリック・ショパンの「24の前奏曲作品28第4番ホ短調」からの引用も見られるなど、 一癖ある作風も多い。

アメリカ、イギリスに関わらず、ここフランスでも同じようにフラットワウンドの弦をピック弾きしたベース、アクセントしか弾かないギターなど世界的に共通点がある。 
投げやりで吐き捨てるように歌うセルジュ、一方でジェーンのボーカルはフランス語が持つ響きや"ウィスパーボイス"と呼ばれるような囁くボーカルもあってか、歌の巧さだけでは計り知れない魅力が詰まっている。
英語のポップスには無い柔らかさや軽さ、エロティシズムに溢れた「これぞフレンチ」という作品。 

96点 
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